Kazuhiro Masuda contemporary artist / 増田和弘

2008年12月8日月曜日

what am I waiting for?/(Un)familiar Room


what am I waiting for?/(Un)familiar Room
2006/07/15



2006年7月15日ー7月23日
東京都墨田区緑1-6-6 XXX両国第2 XXX号室

 (Un)familiar Room展は内村茂太、小泉伸司、増田和弘の3名によるグループ展です。 本展は、内村の自身の日常を記録した日記映画、小泉による不穏な映像作品、そして増田による廃墟化したアトリエを模したインスタレーションで構成されています。
 また、墨田区にある短期賃貸(ウィークリー/マンスリー)マンションの一室を会場とし、出品作家のひとりである小泉が約一年前に滞在した体験をひとつのきっかけとして[Studio Apartment Center]によって企画された展覧会です。

 会場となる短期賃貸マンションは、自宅での生活と同じように最低限の居心地の良さが提供される場所ではあるものの、普段の生活とは異なる防犯管理システムや無個性なインテリアなど、どこか居心地の悪さを醸し出す場所でもあります。出品者である3名のアーティストもとりあえず共同生活に等しい形でその部屋の滞在者となります。しかし一定のプロセスを経てから訪問することになる鑑賞者は、奇妙な形で3名のアーティストに出会うことになります。本体と言うべきものはそこにはなく、場と作家達によって形作られた幽霊的な場に立ち会うことになるのです。

 増田の作品は会場の空間を無視するようなサイズの小屋です。そして、作品制作中に居心地の悪さを感じた出品作家がふらっと出掛けていってしまったような光景がその内部に残されています。増田が何に退屈し、居心地の悪さを感じて出ていってしまったのか。作品に付されたタイトルと小屋の中に置かれたテキストがそのヒントになるのかもしれません。この展覧会場の部屋番号を聞くために訪問者によってかけられる携帯電話の着信は、その意味を促そうとする、或いは出掛け先での退屈しのぎの、増田からのささやかなメッセージのようでもあります。

 展覧会タイトル「(Un)familiar Room」は住まう者にとって、その場所が「familiar(居心地の良い)」にも、「unfamiliar(居心地の悪い)」にもなりうることを意味しています。ほんの些細なきっかけで既成の価値観が反転しうるということ。勿論それは単に居住性の問題だけではなく、 「Room」が「System」「Body」「Life」などに置き換え可能なものとして捕捉されています。

参加作家:内村茂太、小泉伸司、増田和弘

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